1歳~2歳の乳幼児期は、日ごろから子どもの様子をよく観察することで発達障害の兆候に気がつけます。もし兆候に気づいたら、早めに専門機関で診てもらうことが大切です。ここでは、年齢別の発達障害の特徴や自閉症スペクトラムについてまとめています。
イギリスの精神科医であるローナ・ウイング氏は、自閉症スペクトラムには次にあげる3つの兆候が現れると定義[※1]しています。下記のような兆候がみられるような場合は、医師や専門機関に一度相談した方が良いでしょう。
[※1]参照元:全国地域生活支援機構|ローナ・ウィングの3つ組(https://jlsa-net.jp/hattatsu/wing-aspe/)
人への関心や興味が少ないことが自閉症スペクトラムの特徴としてあります。一般的な乳児は、まだ言葉が発せなくても両親の呼びかけに対して微笑んだりして反応するものですが、自閉症スペクトラムの子どもはこういった反応が少ないと言われています。
言葉がけをしていたにも関わらず、微笑んだりしても反応しないといったような社会性の障害によって、母子関係が希薄となってしまい言葉の習得が遅れてしまうことが原因としてあります。
次に起こることを想像することが苦手なため、同じ行動を繰り返したり、特定の物事に執着したりすることで、安心感を得ていると言われています。
言葉の遅れは、自閉症スペクトラムといった発達障害の兆候とされています。1歳を過ぎたら、子どもの発する言葉に注意しましょう。ただし、言葉の習得には個人差があるため、話し始める時期は子どもによって変わってきます。
一般的には、1歳半位から「わんわん」や「マンマ」といった簡単な単語を2~3語使えるようになると言われていますので、この時期がひとつの目安となるでしょう。
赤ちゃんは言葉を発することよりも、相手の言葉を理解する方が早いとされています。言葉が遅れていても、「おいで」など呼びかけに反応するようであれば、心配は少ないかもしれません。
発達障害の子どもは、人間への注意や反応が薄い傾向があるため、呼びかけに対して何も反応が無いようであれば、専門機関に一度相談した方が良いでしょう。
2歳を過ぎると、どんどん言葉が飛び出してくるようになります。特徴としては、「わんわん、いた」、「これ、なあに」など2語をつなげて少しずつ会話ができるようになっていきます。「かわいい」、「おいしい」といった形容詞を使い、自分の感情を表現できるようにもなってきます。
2歳になるまでは子どもによって言葉の発達に差があり、遅い子だと2歳になってからようやく話し始める子もいます。あまり神経質になり過ぎず、様子を見守ることも大切です。しかし、2歳過ぎても言葉が出てこず、語彙も増えないようであれば、医師や専門機関に一度相談した方が良いでしょう。
自閉症スペクトラム(ASD)は発達障害の一つで、「人と関わるのが苦手」、「強いこだわりや執着をみせる」、「特定の行動をくりかえす」といった特性があります。このような特性によって、学習面でも言葉の遅れといった弊害が生じます。
自閉症スペクトラムの割合は人口の約1%程を占めており、男性に多いのが特徴で女性の約4倍と言われています(2023年5月30日時点で確認できた情報[※2])。
自閉症スペクトラムを発症する原因は特定されていませんが、多くは遺伝的な要因が絡み合った脳機能障害であると言われています。
治療法は見つかっていないため、自閉症スペクトラムの特性にあった療育や環境調整などで対処していく方法が一般的にとられています。
発達障害の子どもが将来、社会の中で自立した生活を送れるようにするためには、早いうちから学習・生活面でのサポートが大切です。
現在では児童福祉支援センターといった福祉施設、発達障害に特化した学習塾などサポートしてもらえる場所がいくつかあります。
将来、進学や受験を検討しているのであれば、発達障害専門の学習塾がおすすめ。発達障害の特性にも詳しいため、子どもの将来必要とするサポートを考えて指導を行ってくれます。