放課後等デイサービスは、6~18歳までの障害をもつ子を対象に放課後や長期休暇に利用できる福祉サービスです。ここでは、メリット・デメリットを交えながら放課後等デイサービスと学習塾との違いについて解説しています。
放課後等デイサービスへ通わせるメリットの一つに、基礎的なコミュニケーション能力の向上があります。学習塾と違って放課後等デイサービスは、障害をもつ子どもたちの社会参加を推進することに重点を置いています。そのため、集団での交流を通じてコミュニケーション能力の向上を図り、社会性を培うサポートが主に行われています。
次に、費用の負担が少ないといったメリットもあります。放課後等デイサービスは公的なサービスであるため利用条件が設けられていますが、条件を満たしていれば自治体で決められた料金の1割負担で済みます。さらに、1か月の利用額が4,600円(税不明)(世帯年収が890万未満の場合)を超えた場合、それ以上の費用負担する必要がありません(2023年5月時点[※1])。そのため、一般的な学習塾と比べると費用を押さえて支援サービスを利用することができます。
一方で、放課後等デイサービスのデメリットは、受けられる学習サポートが基本的な読み・書き程度であることが多いことです。
社会参加を促進するための指導が中心となるため、学習塾のように学力向上を目的とした指導を実施している事業所は多くありません。
放課後等デイサービスに通うには利用条件を満たしていることと、申請が別途必要です。学習塾のようにすぐに通えることができないのもデメリットとしてあります。
専門的な塾へ通わせるメリットは、発達障害の特性に合わせて学習サポートが受けられる点です。個別に指導カリキュラムを組んで、子どもそれぞれのペースに合わせて学習を進めてくれるので、無理なく学習能力を向上させられます。
こういった塾の中には高校・大学受験のための学習サポートや社会性を培うためのトレーニング(SST)を提供するなど、子どもの可能性を広げるための充実したサポートを行っている所が多くあります。教科学習や受験対策、社会のマナーなど、さまざまな支援が受けられるのが専門的な学習塾の魅力であると言えるでしょう。
学習に特化してサービスを提供しているため、発達障害の特性によっては塾が合わず通い続けられないケースがあります。塾に入ったとしても、学習についていけず塾通いがストレスになってしまうこともあるでしょう。専門的な塾の多くは無料のカウンセリング実施していますので、発達障害の状態を伝えて通うことに問題がなさそうか一度相談してみると良いでしょう。
条件を満たせば授業料の負担が少ない福祉サービスとは違って、授業料は自己負担です。放課後等デイサービスに比べると料金は割高になってしまいます。授業料について相談を受けつけている塾もあるので確認してみましょう。
療育や基礎学習をサポートする放課後等デイサービス、発達障害の子ども専門の塾や家庭教師など、発達障害の子どもが学ぶ環境は多岐に渡ります。それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、これらサービスを併用して通うのも良いでしょう。専門の学習塾の中でも勉強プラス、自立する能力を育むSST(ソーシャルスキルトレーニング)に対応している学習塾はバランスよく学べるのでおすすめです。