発達障害をもつ子どもの大学受験について、何をどう進めて良いか分からずに頭を悩ませているご家庭も少なくないでしょう。この記事では、そんなご家庭のために、発達障害の子どもの大学受験で押さえておきたいポイントや保護者ができるサポートについてまとめています。
大学受験を進める上で志望校の選定はとても重要です。親からすると子どもを心配するあまり色々と干渉したくなってしまいますが、志望校に関しては子どもの意見を尊重して決めた方が良いでしょう。特に発達障害の特性によってこだわりや興味をもつ分野があるならば、その分野を専攻できる学部や学科のある大学を目指すのが受験のみならず大学入学後も学習のモチベーション維持につながります。
この他にも、受験時に発達障害の子どもが受けられるサポートについても押さえておいた方がよいでしょう。たとえば大学共通入試テストの場合、所定様式の診断書など必要書類を事前に提出することで、試験時間の延長や別室の用意など特別な配慮をしてもらえます。私立大学の入試に関しても、同様の措置を講じている所もあります。ただし、配慮を受けるには審査等で時間がかかる場合もありますので、早いうちから確認しておくと良いでしょう。
入学後においても発達障害の生徒をサポートする部署を設けている大学が多くあります。保護者や出身校との連携、講義内容の写真撮影を許可するといった授業配慮など障害の特性に応じた支援を行ってくれます。大学によって支援内容は異なるので、実際に入学後にどのような支援を行っているのか事前に調べておくのもおすすめです。
発達障害の子どもの大学受験を乗り切るために、親ができるサポートにはどのようなものがあるでしょうか。次にいくつかまとめましたので、ご参考にしてください。
志望校選びなど大学受験について悩みがあるのなら、教育のプロに相談するのが◎。学習の様子を間近でみてきた担任の先生であれば、子どもの長所を活かせる学校選びや受験科目選びなどのアドバイスを積極的にもらいに行きましょう。また、スクールカウンセラーであれば、発達障害をもつ子のメンタルケアについて相談することも可能です。
学習に集中して取り組めるようにするには、発達障害の特性に合わせて環境を工夫するのも良いでしょう。たとえば、音がすると集中できない場合はイヤーマフを使用したり、物が周辺にあると気が散るような場合は、物を減らしたり整理整頓をまめに行うなど工夫するのがおすすめです。
発達障害の特性によって「勉強が進まない」、「成績が伸びない」など、受験期間中に苦労や挫折を経験する機会が多くあるでしょう。こういった経験は単に自信を無くし勉強意欲を喪失させるだけでなく、受験ノイローゼやうつといった二次障害につながる恐れがるため注意が必要です。受験期間中は特に子どもの様子に目を光らせ、普段と違う様子であれば休ませるなどのケアをしましょう。
学習塾の中には発達障害の子どもを専門に指導する所も多くありますので、こういった学習塾の協力を得るのも良いかもしれません。指導実績の豊富な学習塾であれば、大学進学についての専門的なアドバイスをしれもらえるだけでなく、発達障害の特性に合わせた学習サポートも提供してくれるでしょう。
発達障害の子どもの大学受験では、早めに準備を進めることが大切です。大学選びでは、子どもの意思を尊重して興味のある分野で大学を探した方が、子どものモチベーション維持にもつながります。大学受験を乗り切るには保護者のサポートも欠かせません。メンタル面など普段から子どもをよく観察して必要なサポートをしてあげましょう。専門的なアドバイスや学習サポートが必要な場合は、指導実績が豊富な発達障害専門の塾を活用するのがおすすめです。