他者と良好な関係をつくり、集団の中で共に生活していく能力をソーシャルスキルと言います。この記事では、ソーシャルスキルを培うためのトレーニングについてメリットや具体例を交えながら解説しています。
ソーシャルスキルトレーニングとは、対人関係や集団行動を円滑に営んでいくためのスキルを身につける目的で行われるトレーニングのことを言います。英語表記を略して、SSTと呼ばれることもあります。
近年、核家族化や少子化が急速に進んだことにより、子どもたちが社会性を身につける機会は減少しています。対人関係や集団行動を苦手とする子どもも少なくはありません。
一方で、学校や職場、地域社会など人と上手く関わっていかなければならない場面は数多くあり避けては通れないものです。そのため、ソーシャルスキルトレーニングが今注目されています。
特に、発達障害の子どもは特性によって、コミュニケーションを苦手とする傾向があるため、このソーシャルスキルトレーニングの必要性は高まっています。
発達障害の特性によって、落ち着いて授業に集中できず、周囲に迷惑をかけてしまうことも少なくないでしょう。SSTでは、授業に集中できない原因を追求して改善していく訓練を行い、集団生活に馴染めるようにしていきます。
衝動や怒り、興奮など感情をコントロールする訓練によって気持ちの切り替えができるようになり、集団生活に適応しやすくなります。
グループワークやロールプレイを通じて人との関わり方を学ぶことで、学校の友達とも仲良くできるようになります。
相手の気持ちを理解するための訓練を行い、その場に相応しい言葉で自己表現できるよう指導が行われます。
次にソーシャルスキルトレーニングの具体的な例について紹介します。
相手の話を聞くときの良い姿勢と悪い姿勢を実際に演じてみせて、話を聞くときに何が大切なのかを生徒に考えさせます。その際に、相手に体を向ける、話の途中で遮らないなど話を聞く上で大切なポイントを説明。ポイントを意識しながら実際にロールプレイをして、他の人の聞き方について意見交換などを行い、人の話を聞くスキルの訓練をしていきます。
どういう場面の時にイライラしてしまうのか子どもたちに考えさせ、コントロールできないと友だちを失うことや嫌な気持ちをさせることがあることを理解させます。
そのために、実際に状況をつくり、良い対処法と悪い対処法を見比べてどう感じるか考えさせます。怒りを感じた時に落ちつくにはどうしたら良いか、グループワークで意見交換を行い、怒りに対処する方法を身につけていきます。
発達障害の子どもの学習環境は、放課後等デイサービスや発達障害の子ども向け塾、家庭教師などさまざまです。勉強の遅れや将来的に自立する能力など、バランスよく学ぶなら、SST(ソーシャルスキルトレーニング)に対応している発達障害専門の学習塾がおすすめです。