宿題に取り組む発達障害児の支援
宿題ができない発達障害の子どもは多いです。そこには発達障害ならではの特性が影響しており、解決するには発達障害を理解し、適切なサポートが必要です。本記事では、発達障害の子どもはなぜ宿題に取り組みづらいのか、その理由と対処法を解説します。
発達障害児が宿題に取り組みづらい原因とは？
ひとつの物事に集中するのが苦手だから
発達障害の子が宿題に時間がかかってしまうのは、発達障害ならではの特性が影響しているためです。
具体的な発達障害と特性を挙げて説明します。たとえばADHD（注意欠如・多動症）の場合、忘れ物が多かったり、ひとつの物事に集中できなかったり、といった症状が挙げられます。
「宿題をやる」というシチュエーションにおいては、机に向かって宿題に取り組むことが困難になってしまい、また、宿題をやっても回答の記入漏れや文字の読み飛ばが発生してしまいます。
読み書きがうまくできないだから
ASD（自閉スペクトラム症）やLD（学習障害）といった発達障害の場合、正しい書き順で字を書いたり、読んで理解したり、といったことが困難になることもあります。
特に、文章問題において、文章を正しく理解できず、回答できないといったケースが見られます。
推測するのが苦手だから
発達障害の子どもは、推論があまり得意ではありません。国語の宿題で物語の登場人物の心情がわからないケースがあります。
また、「計画性」という点においても、推測が困難なケースも見られます。現実的にこなせるスケジュールを立てられず、結果宿題がなかなか進まないという事態に陥ります。
なかなか「宿題を始めよう」と動き出せない
脳が未熟な発達障害の子どもは、なにか物事を始めるまでの動き出しが遅いケースがあります。特に、宿題のようなあまりやりたくないことになると、余計に時間がかかることも。
発達障害児が宿題に取り組む際の支援方法
できたことに対して褒める
できないことを責めるのではなく、できたことを褒めてあげましょう。そうした成功体験や褒められる体験を積むことで、勉強を嫌いにならず自己肯定感を高められます。
ささいなことでも、発達障害の子どもにとっては大きな労力や勇気が必要です。なにか少しでもできたら褒めてあげましょう。
宿題ができる準備を手伝う
発達障害の子どもは、動き出しが遅い傾向があります。
「宿題を始める」までには、ランドセルを開ける、必要なノートとプリントを見つける、宿題のページを開く、といった動作があります。こうした動作ひとつひとつが、発達障害の子どもにとっては大きな負担になります。
こうした「宿題を始める」までの準備を手伝ってあげましょう。
発達障害の子どもが通える塾に相談する
家庭でのサポートや問題解決が困難な場合、発達障害の子どもが通える塾への相談もひとつの手です。
発達障害の子どもに向けたサポートや学習指導に期待でき、子ども一人ひとりに合わせた学習環境を整えられるかもしれません。
「与えられた課題をこなす」というのは、大人にとっては至極当然のことかもしれません。
しかし、発達障害の子どもにとっては大きな負担で、宿題をやるまでに時間がかかったり、宿題に取り組み始めても集中できなかったり、問題をよく理解できなかったり、といった問題が起こり得ます。
家族や家庭内でのサポートも大切ですが、同時に発達障害専門の学習塾に通うことで、子どもにとって学習しやすい環境が整えられるでしょう。
