発達障害“勉強嫌い”な子どもの学習法

発達障害のお子さんの勉強嫌いには、どういった原因があるのでしょうか。まずは、特性をよく理解して、その子に合った学習環境や指導方法を探っていきましょう。

発達障害の特性別おすすめの学習法

文章が読み取れない、質問の意図が分からない、集中できない等の理由で、学校の授業についていけない。あるいは、一生懸命に努力をしているのに、テストの点数が悪い。常にそんな状態が続いているとしたら、勉強は苦痛で避けたいものになるのではないでしょうか。

発達障害のある子は、脳の機能の問題で、そういった困難を抱えています。注意欠如・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)、それぞれ特性に違いがありますが、親御さんや先生に気づかれにくく、中には専門家も診断に迷うケースもあります

お子さんが学習をする上で、どのようなサポートが必要なのか見つけることが、勉強嫌いの解消につながるかもしれません。

ADHD・不注意

ADHD(注意欠如・多動性障害)の不注意タイプの特徴に、忘れ物が多い、優先順位がつけられない、整理整頓が苦手、集中力が続かないといったものがあります。

対策として、予定表等を親ごさんとお子さんが一緒に作り、確認をするようにしましょう。確認することが習慣づくと、例えばテストの記入漏れなどのケアレスミスを減らすことにつながります。また、勉強をする時は、机の上には必要最小限のものだけを置くように心掛けましょう。

ADHD・多動・衝動性

ADHD(注意欠如・多動性障害)の多動・衝動性タイプの特徴に、落ち着きがない、じっとしていられない、気が散りやすいといったものがあります。

対策としては、集中時間を短時間で区切る学習法がおすすめです。数問解いてから休憩、あるいは、15分勉強したら5分休憩というように、問題数や時間で区切るかして、学習と休憩を交互に行います。

掛け算の暗記など、歩いたり動いたりしてもできる学習方法も取り入れてみましょう

ASD・社会性

ASD(自閉スペクトラム症)の社会性の障害は、他者との相互的な交流が困難という特性から、人とうまく関われない、名前を呼ばれても反応しない、会話のやり取りが苦手、といったことが挙げられます。

学習をする上でも、しっかりと相手の話や質問を聞き、それに対して、自分の考えを話すことを身に着ける必要があります療育によるコミュニケーションのトレーニングや親ごさんとの日常の会話を積み重ねて、相手の話を聞いてから、自分が答えるやり取りを習得していきましょう。

ASD・コミュニケーション

ASD(自閉スペクトラム症)のコミュニケーション障害は、会話が一方的であったり、比喩や冗談などの抽象的な表現が分からない、口頭での指示が理解しにくい、といったことが挙げられます。

学習方法としては、視覚からの情報を取り入れるイラストや絵カード等を教材として用いるなどがおすすめです。あいまいな表現を避け、「〇ページ〇問目まで問題を解いて下さい」のように、具体的な言葉で指示を出すようにしましょう。

ASD・想像力

ASD(自閉スペクトラム症)の想像力の障害には、臨機応変に対応できない、人の気持ちを察することが苦手(空気が読めない)、興味の対象が限定的といったことが挙げられます。

中でも急な予定変更は、混乱を招き、大きなパニックを起こす場合があります。そのため、見通しをつけることがストレスや不安の緩和につながります学習や日常生活の予定表・チェックリストを作るのがおすすめです。予定を変更する際は、出来る限り事前に伝えるようにしましょう。

LDの各特性

LD(学習障害)は、知的な発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するといった能力の習得が困難な状態をいいます。

  • 「聞く」ことが困難な場合、視覚的な補助や抽象的な表現をしない。
  • 「話す」ことが困難な場合、単語から2語文と徐々に発展させていく。
  • 「読む」が困難な場合は、音声機材の使用や、文字の読み飛ばし防止に、定規を添えて読む。
  • 「書く」ことが困難な場合は、なぞり書きの教材を使用する等が挙げられます。
お子さんの特性にあわせた発達障害専門の学習塾も1つの手

将来の進学や受験、社会的自立に向けてバランスよく学ぶなら、社会のマナーや人づきあいを学べるSST(ソーシャルスキルトレーニング)に対応している学習塾がおすすめです。どのようなサポートが必要なのかを専門的な視点から見極め、発達障害の特性に合わせた学習環境や学習計画を提案してもらえるでしょう。

教える講師と学ぶ生徒
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